コーチングの5つの効果について徹底解説!デメリットや効果を最大化するための条件とは?
現代のビジネス環境は変化が激しく、これまでの「指示命令型」だけでは通用しなくなってきています。そこで求められているのが、一人ひとりの主体性を引き出し、チーム全体の力を最大化する「コーチング」の力です。
コーチングを取り入れることで、社員のスキルアップはもちろん、組織の生産性アップや離職率の低減などの効果も期待できます。しかし、「本当に効果があるの?」「どうやって始めればいい?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
そこでこの記事では、科学的なデータやリアルな事例をもとに、コーチングの5つの重要な効果をわかりやすく解説します。さらに、成果を最大化するコツや注意点もお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
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コーチングとは何か
コーチングとは、対話を通じて相手がもともと持っている力や可能性を引き出し、目標達成や成長を支援するコミュニケーションの方法です。コーチは直接答えを教えず、質問や優しいフィードバックで気づきを促し、自然に行動が変わるようサポートすることで、相手自身が課題に気づき、自分の力で解決策を見つけることを大切にしています。そのため、指示や命令に頼った従来のやり方とはあったく違うアプローチをとることになります。
コーチングでは、個人の強みや価値観にも注目します。これにより、自分の内側の答えが見つけやすくなり、問題解決能力を育てられることで持続的な成長につなげられるのです。スキルアップだけでなく、その人の秘めた可能性が花開く可能性があるのは、コーチングならではの魅力と言って良いでしょう。
また、コーチングの過程では、コーチと本音で話せる信頼関係が築かれるため、安心感が生まれてより深いコミュニケーションが可能になります。こうした理由から、コーチングは現在、ビジネスや教育、スポーツ、自分磨きの場面でコーチングは幅広く活用されています。
コーチングの5つの効果を解説
コーチングを導入することで得られる効果は、個人レベルから組織レベルまで幅広い範囲に及び、個人や組織の持続的な成長の基盤となります。ここではコーチングで得られる効果を5つにまとめて詳しく解説していきます。
各効果がどのようなメカニズムで発現するのか、そして具体的にどのような変化をもたらすのかを理解することで、コーチング導入の価値を明確に把握することができるでしょう。
①自己理解を深めることができる
コーチングの大きな効果のひとつに、「自己理解を深める」ことがあります。忙しい日々を送るビジネスパーソンは、自分の価値観や強み、課題についてじっくり考える時間がなかなか持てません。しかし、コーチングでは質問や振り返りを通じて、普段気づきにくい自分の特徴や行動のクセに気づくことができます。
自己理解が進むと、自分の強みを上手に活かせるようになり、改善が必要な点も前向きに見つめ直せます。例えば、どんなときにやる気が出るのかや、自分の得意なコミュニケーション方法を知ることで、人間関係や仕事の進め方がぐっと改善されるはずです。
また、自分の価値観や目標がはっきりすることで、仕事の判断やキャリア選択にも一貫性が生まれ、成長へとつなげることができるでしょう。
②課題解決が迅速にできる
従来は、問題に直面すると感情的になったり、表面的な対策で終わることも多い方も、コーチングでは体系的な考え方を習得することができます。これにより、問題を解決する力を大きく向上させられ、課題に対する対応の速さやクオリティを高めることができるでしょう。
コーチングでは、問題の本質を見抜く力、多角的な視点で状況を分析する力、そして新しい解決策を生み出す力が磨かれます。これは、コーチングの中で「なぜ?」「何が?」「どうやって?」という質問を重ねることで、根本原因の特定と複数の選択肢検討が自然に身につけられるようになるためです。この力があると、日常の様々な課題へ効率よく取り組めるようになっていきます。
さらに、コーチングでは、感情に振り回されず冷静に判断する客観的思考力も養われるため、プレッシャーが高い場面や複雑な人間関係の問題でも効果を発揮します。
③コミュニケーション能力が向上する
コーチングを実践することで、相手と双方向でしっかりコミュニケーションを取る力を大きく伸ばすことができます。コーチングの相手の話をよく聞き、適切な質問で思考を引き出す技術は、ビジネスの現場でとても有用で、特に「アクティブリスニング(積極的傾聴)」が上達すれば相手の本当の気持ちや考えを理解しやすくなるでしょう。これは、部下との1on1や顧客対応、さらには家族とのコミュニケーションにも広く役立てることができます。
また、コーチングを繰り返し実践することで、フィードバックの技術も磨かれて相手の成長を促す前向きな伝え方ができるようになります。批判ではなく可能性を引き出すフィードバックによって人間関係の質も高め、チーム全体に学びの文化を根付かせることができるでしょう。
さらに、コミュニケーション能力が高まることで、異なる考え方や立場の人ともうまく対話できるようになるのもポイントです。多様なメンバーが集まるチームでも共通の目標に向かって建設的な議論を進められるようになるため、チーム全体のパフォーマンス向上につなげられるでしょう。
④モチベーションが上がる
コーチングは、内側からわき上がるモチベーションを高める効果が特に大きいと言われています。一般的な昇進や評価といった外からの動機づけとは違い、コーチングでは個人の価値観や目標に寄り添います。本当に自分が大切にしていることにもとづいた目標をたてることができるため、意欲も高まり、より長く続く、質の高いパフォーマンスにつなげられるのです。
コーチングの中では、自分が将来どうなりたいかというビジョンや、仕事の意味をはっきりさせます。それを毎日の仕事とつなげて考えることで、ただ「やらなきゃいけない仕事」ではなく、自分が成長するための大切な一歩だと感じられるようになります。成長や学びに焦点を当てた目標設定を行うことで、達成感を感じやすく次の挑戦へもつなげやすいのも特徴です。
さらに、コーチングでは、自分の成功体験や失敗を振り返るという作業も行います。これにより、自信をつけられ、失敗も学びのチャンスと捉えられるようになるでしょう。このように前向きな気持ちが持続する思考ができるようになるのも、コーチングならではの効果です。
⑤チーム全体の生産性が向上する
コーチングの効果は個人の成長にとどまらず、チームや組織全体の生産性向上にも大きく貢献します。これは、単純に個々の能力が上がるだけでなく、メンバー同士の協力や学び合う文化が強化されることで生まれる相乗効果です。
コーチングを受けることでコミュニケーションがスムーズになり、情報共有の精度が高まります。これにより、誤解や伝達ミスが減り、プロジェクトの進行もスムーズになるでしょう。
また、建設的なフィードバック文化が根付き続けることで、チーム全体のスキルレベルが底上げされ、問題解決や意思決定も質・スピードともに向上します。こうした環境では心理的安全性も高まり、メンバーは失敗を恐れずにチャレンジできるため、新しいアイデアや革新的な取り組みも促進され、満足度も高まるはずです。
さらに、自律性の高いメンバーが増えるため管理コストが下がるのもポイントです。これにより、マネージャーはより戦略的な業務に集中できるようになるでしょう。
コーチング効果の実例とデータ
ここまで、コーチングの特徴や効果について具体的にお話しました。
コーチングは、現在さまざまな分野で多くの企業や組織で取り入れられており、その効果も実証されています。ここでは、ビジネス・スポーツ・教育の分野で信頼できる事例やデータをピックアップし、数字などのデータとともにご紹介していきます。ぜひご自身の状況と重ね合わせながらご覧いただければ幸いです。
ビジネス分野のコーチング効果の実例とデータ
ビジネスの分野では、Googleの取り組みが有名です。Googleでは、定期的な1on1ミーティングを通じて、マネージャーがアクティブリスニング(積極的傾聴)やオープンな質問の投げかけ、具体的かつタイムリーなフィードバックを重視しています。こうした対話を通じて、各人が主体的に行動を選択できる環境づくりを心がけています。
国際コーチ連盟(ICF)日本支部が公開している報告によると、組織レベルでコーチングを導入した企業の99%が満足しており、約86%が投資コストを業績向上で回収していると回答しています。生産性の向上や営業成績の向上などを実感する企業も多く、職場の環境改善やモチベーションの向上により、離職率の低下を実感している企業も少なくないようです。
スポーツ分野のコーチング効果の実例とデータ
スポーツの分野では、2021年のマスターズ・トーナメントで優勝したプロゴルファーの松山英樹選手の事例が挙げられます。松山英樹選手は、それまでコーチを付けない選手でしたが、目澤秀憲コーチを迎えたことで大きな成果を残しています。目澤コーチは松山選手の技術的な指導よりも「鏡」になることを重視。これにより、選手本人が自身の状態や課題に気づけるように対話を促し、自分の進みたい道を照らす橋渡し役として機能したといいます。
スポーツメンタルコーチングの手法では、選手の内面に寄り添い、長期的な成長を支えることが効果的とされています。日本スポーツメンタルコーチ協会(JSMC)認定のスポーツメンタルコーチは単なるメンタルトレーニングを超えて、選手やチームの内面に深く寄り添い、「なぜそうするのか?」「どう成長したいのか?」といった対話を通じて自己理解を深め、主体的な成長を促すことを重視するとしています。トップアスリートでは、技術指導のみでなく、選手が自身の課題や目標の言語化や主体的に取り組むための対話が大事なのです。
教育分野のコーチング効果の実例とデータ
教育分野においても、コーチングが効果的であるという研究が進んでいます。例えば、18~24歳の大学生及び大学院生を被験者とし、コーチングが心理にどのような影響を及ぼすのかを調べるために、コーチング前後の心理テストと調査が行われました。結果、コーチングが及ぼす心理的効果として「緊張-不安」「怒り-敵意」「疲労」の減少が確認できた一方で、「活気」の上昇が観察された事例があります。
そのほか、小学生や中学生、高校生を対象とする教育現場でもコーチングの活用は進んでおり、生徒の主体性向上や学習意欲の継続に貢献しています。
共創コーチングと宇都宮大学による「iP-U(高校生向けグローバルサイエンスキャンパス)」は、JSTの支援を受けて2008年にスタートしました。高校生を対象に、専門教育の早期化ではなく「コーチング」によって気づきを促すことを重視しているのが特徴です。
プログラムは2年間で構成され、1年目は約60名が参加し、国際的な協働力や発想力、継続力など五つの基盤的能力を養います。2年目にはその中から選ばれた約10名が大学教員とともに研究活動に取り組み、学会発表や国際会議での成果発表を目指します。
実際に初年度から学会発表や受賞といった成果が生まれており、多くの参加者が「コーチングによって将来のビジョンが広がった」と効果を実感しました。この取り組みは、次世代を担う人材が科学技術の可能性を自ら見出し、グローバルに活躍できる力を養うことを目的としています。
また、学校でも進路指導や部活動にコーチングが取り入れられている事例もあります。岡山県立笠岡商業高等学校の事例では、教師を対象にコーチング研修を実施し、生徒の進路指導や教育に活かしています。
コーチング効果を最大化するための3つの条件を解説
前述のようなコーチングの効果を得るには、単にコーチングセッションを実施するだけではなく、効果的な実践を意識して行うことが大事です。
ここでは、たくさんの成功事例と失敗事例を分析し、コーチングの効果を最大限に引き出す条件として3つピックアップしました。これらの条件を実施することは、すぐに効果が得られるだけでなく持続的な成果を実現することにもつながります。ぜひチェックしてみてください。
①信頼関係の構築を行う
コーチとの信頼関係は、コーチング効果を高めるために最も重要です。信頼がなければ、本音や弱みを素直に話せず、表面的なやりとりにとどまってしまいます。
信頼の第一歩は、コーチの専門性や誠実さを認めることです。資格や実績だけでなく、人柄や価値観への共感も大切です。初回の印象や一貫した対応を通じて、信頼は徐々に深まっていきます。
安心して弱みを話せる環境も欠かせません。守秘義務を守り、評価や批判をしないコーチなら、本音で話しやすくなるでしょう。
また、コーチとお互いの考えや期待を理解し合い、定期的にフィードバックや振り返りを行うことが信頼をさらに強くします。目的や進め方が明確で、誠実な対応が続くことで、困難な状況でも信頼は深まっていき、より一層コーチングの効果を高めることができるでしょう。
②具体的かつ測定可能な目標を設定する
効果的なコーチングには、明確で具体的かつ測定可能な目標設定が欠かせません。曖昧な目標だと進捗が把握しにくく、達成感や成功体験も得づらくなります。SMART原則(具体的、測定可能、達成可能、関連性、期限)が効果的な目標設定の基本です。
目標は高すぎても低すぎても良くありません。今の能力や環境を踏まえた適切なレベルに設定します。この時、達成条件が数字のように明確であることも大事です。段階的に目標をクリアしていくことで持続的な成長と達成感が得られます。
具体的には、「コミュニケーション能力を上げる」ではなく、「部下との1on1で自発的に課題発言が週3回以上になる」といった行動レベルの目標に落とし込みます。これにより、何を重点的に取り組むべきかが明確になります。
また、目標は長期的なキャリアビジョンや組織の目標と一致させることが大切です。これが内発的なモチベーションを高めてくれるため、自分を成長させる原動力となってくれるでしょう。
③継続的なフィードバックを実施する
コーチングの効果をしっかりと実感するためには、継続的で質の高いフィードバックが欠かせません。一度きりのフィードバックでは変化は限定的なため、定期的に振り返りを行って改善を重ねていきましょう。
例えば、セッションの中で気づいたことや行動の変化をその場で共有し、何が成果につながったのかを理解できると、次の一歩をスムーズに踏み出せます。また、日常の仕事の中でもタイミングよくフィードバックをもらうことで、理論と実践をつなげやすくなるでしょう。
そして、コーチだけでなく、上司や同僚、部下、時にはお客様からの360度フィードバックや自己評価も取り入れることで、さまざまな視点から自分では気づけなかった課題に気づくことができます。大切なのは、批判的ではなく、成長を応援するポジティブで具体的なフィードバックを受けることです。具体的な改善点や行動例が示されると、前向きな気持ちで取り組みやすくなります。
また、フィードバックの頻度やタイミングは、多すぎず少なすぎず、自分の成長段階に合ったバランスを見つけることがポイントです。定期的に振り返りをして、フィードバックの質を高めていくことも、成果を出し続ける秘訣です。
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この記事では、コーチングでどのような効果が得られるのかということについて、個人や組織が得られるメリットをご紹介し、それぞれの効果を高めるコツについてもご紹介しました。コーチングは近年、ビジネスやスポーツ、教育の分野で特に取り組みが加速しています。ぜひコーチングを実践し、効果を実感していただければ幸いです。
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