稲垣陽子がメンターコーチとスーパービジョンのスペシャリスト資格を取得しました

コラム

メンターコーチとスーパービジョンのスペシャリスト資格を取得しました

こんにちは。稲垣陽子です。

2026年、ICFでは3カ年計画のもと、資格制度やコーチ教育の仕組みにさまざまな変化が起きています。

その背景には、コーチングを一部の専門家だけのものにとどめず、人や組織、そして社会により役立つものとして広げていこう、という方向性があると私は受け取っています。

その流れの中で、メンターコーチングやコーチング・スーパービジョンの重要性も、これまで以上に明確になってきました。

私自身もその考えに賛同し、このたび、メンターコーチングとコーチング・スーパービジョンに関するスペシャリスト資格を取得しました。

 

 

 

資格を持つということ

今回のMCSとCSSの資格については、一定の実績と所定の学習要件を満たしたコーチに、取得への道が開かれている資格です。
興味がある人はぜひチャレンジしていただきたいです。

ただ私は、この資格を「持っていること」に大きな意味があるとは思っていません。

むしろ、これからも学び続けること。そして、自分の経験だけを正解にしないこと。

その姿勢を、よりはっきり求められる資格なのではないかと思っています。

 

少し、自分の話をさせてください。

 

私は20代からプロコーチとして活動を始め、2006年にICFマスター認定コーチ(MCC)を取得しました。

その後20年以上、ICFのアセッサーとして多くのコーチングセッションを聴き、コーチの成長や資格取得に関わってきました。

キャリアだけをみれば長くなりました。でも、こういうと、無責任に聞こえるかもしれませんが、まだまだ私のコーチングは発展途中です。終わりが見えません。

人としても同じです。今でも自分の未熟さや不甲斐なさに悶絶することがしょっちゅうあります。

 

その度に、なぜそうなるのだろう、と自問するのですが、最近出てくる答えは

「そりゃ、そうだ。人間は何千年も前から「不可思議」な存在なんだから。」と、思います。

だから、時々絶望的な気分にもなるのですが・・・笑。

 

それでも、私がコーチを続けているのは、

コーチングを通して、人間の可能性の大きさ、そしてそれを信じる力強さに、魅了され続けているからです。

人間の本質なんて、簡単にはわからない。でも、コーチングをしていると、ときどき、その不可思議さの一端に触れるような瞬間があります。私は、その瞬間が好きです。

そして同時に、だからこそ怖さもあります。

経験を重ねれば重ねるほど、「自分はわかっている」と思い込んでしまう。

その光陰の中で、独善的になってしまうことを助けてくれるしくみが、メンターコーチであり、スーパービジョンであるのではと思っています。

 

 

コーチングの社会性という視点

また、別の視点でみると、コーチングを取り巻く環境も、大きく変わり始めてきたこと。

コーチングを一部の専門家だけのものにとどめるのではなく、人や組織、そして社会に、より確かな価値を届けていくという流れが強まってきています。

ICFの3カ年計画を見ても、そうしたコーチングの社会的な役割に、これまで以上に真剣に向き合おうとしているように私は感じています。

だからこそ、社会に向き合う私たちプロコーチ自身にも、自分の実践を学び続け、振り返り続け、問い直し続ける仕組みが必要です。

経験が長くなれば、自動的に良いコーチになるわけではありません。
資格を取れば、完成するわけでもありません。

むしろ経験を重ねるほど、自分では気づきにくい癖や思い込みも生まれます。
難しいケースや倫理的な葛藤、複雑な関係性に出会うことも増えていきます。

そんなとき、自分一人の経験や判断だけに閉じず、自分のコーチングをもう一度見つめ直す。

そのための大切な仕組みが、メンターコーチングとコーチング・スーパービジョンだと、私は考えています。

 

この二つが、プロコーチにとって特別なものではなく、学び続けるための当たり前の文化になっていくこと。

それが、これからのコーチングの質と信頼を支え、結果として社会により良いコーチングを届けることにつながるのでしょう。

だから私は、MCSやCSSという資格を、単なる新しい肩書きとしてではなく、
「コーチングの未来に責任を持つ人を増やしていくための仕組み」として捉えています。

 

 

スーパービジョンとは

私がスーパービジョンの必要性を強く感じるようになったのは、MCCとして活動し、スクールを運営し、多くのコーチを育成する立場になってからでした。

日々コーチングについて考え、実践し、教えている。

それでも時折、

「自分は、大切な何かにまだ気づいていないのではないか」という感覚がありました。

コーチもいました。相談できるメンターもいました。

それでも、自分自身の実践をもっと客観的に、そして自分とクライアント、その関係性や、それを取り巻くシステムまで含めて眺める場が必要なのではないか。

そんなことを模索していたときに出会ったのが、コーチング・スーパービジョンでした。

 

そして、私が長年憧れていたコーチの一人であるJanet M. Harveyさんにお願いし、初めて通訳を入れてスーパービジョンを受けました。

その体験は、私にとって大きな転機になりました。

自分の日々の実践や経験に、自分自身でOKを出せるようになったこと。

一方で、自分の傲慢さや卑屈さ、弱さも含めて、それもすべて「自分なのだ」と受け止められるようになったこと。

何かを正してもらったというより、自分自身と、自分がしている仕事を、これまでより大きな視点から見ることができるようになりました。

「私も、こんな対話ができるようになりたい」

そう思い、2024年からCoaching Supervision Academy(CSA)で本格的にスーパービジョンを学び、2025年にCSA認定コーチングスーパーバイザーとなりました。

私にとってスーパービジョンは、単なる新しい技法ではありません。

コーチ自身が、自分の実践を振り返り、自分自身を知り、クライアントとの間に何が起きているのかを探究しながら、より成熟したプロフェッショナルになっていくための場だと考えています。

 

 

メンターコーチングとは?

メンターコーチは、ICF基準のコーチングについて学習と成長が起こるように関わる人です。単に「できている・できていない」を評価する人ではありません。

また、答えを教える人でもありません。

メンターコーチングの時間は、二人でコーチングを探求していく場でもあります。

基準となるコアコンピテンシーと倫理規定をみながら、二人で、「あ、そうだよね!」と確認し合う。

このプロセスが学習と成長を導いてくれます。

優れたコーチだからといって、必ずしも優れたメンターコーチになれるわけではありません。

メンターコーチには、コーチとしての力だけでなく、人の成長を支援する教育者としての視点、フィードバックする力、倫理観、そして自分自身のあり方を振り返り続ける姿勢が必要です。

私自身は、メンターコーチクライアントが真に目の前のクライアントの成長と変化にコミットできるように、そしてその瞬間がとても楽しいと思えるようにサポートしたいと思っています。

 

提供できること

当社では、メンターコーチングとスーパービジョンについては以下をご提供しています。

 

●メンターコーチングトレーニングプログラム

メンターコーチになりたい方、ICF基準でのメンターコーチングを実践したい方のためのプログラムです。

今回の第3期では、ICFの新しいMentor Coaching Specialist(MCS)の流れも踏まえ、プログラムをさらに充実しています。

プログラムの内訳は、リアルセミナー、バディコーチング、事前動画、ラーニングサークル、リフレクションなど、学ぶ → 実践する  → 振り返るという学習の循環を大切にした内容です。

修了された方には、41時間の学習を修了したことを証明する修了証を発行します。

メンターコーチとして活動したい方はもちろん、自分自身のコーチングをさらに磨きたいプロコーチの方にもおすすめです。

 

● メンターコーチ、スーパービジョンを受ける

稲垣陽子のメンターコーチ、スーパービジョンを受けたい方、現在それぞれ2名のみ募集をしています。

スーパービジョンのページは現在準備中ですが、料金はメンターコーチングと同じです。

 

さいごに

社会が変わり、AIをはじめとするテクノロジーの変化により、コーチングも大きく変化しています。

だからこそ、コーチ自身が、自分一人の経験だけに閉じず、学び、振り返り、誰かと対話しながら、自分の実践を育てていくこと。

メンターコーチングとコーチング・スーパービジョンが、そのための自然な文化としてプロコーチの間に根づいていくことを願っています。

私自身も、まだまだその途中です。

これからも、コーチングという仕事について、皆さんと一緒に問い続け、学び続けていきたいと思っています。