• 受講生インタビュー

その人が、スポットライトを浴びて見せる、最高の笑顔

PROFILE
黒田 美和(くろだ みわ)

 三重県四日市市生まれ。高校卒業後、地元企業に就職し20歳で結婚。専業主婦を経て、実兄が経営する会社で20年間勤め50歳で退職。現在は、コーチングとコンサルタントに励んでいる。
 スタッフ数10人ほどの規模から、およそ300名に成長するまでの20年間、中小企業が直面するあらゆる問題に直面しながら課題解決をしてきた結果、「人間尊重型経営」という経営思想にたどり着く。パート、正社員、取締役、社長、個人事業主と様々な立場で仕事をしてきた経験を活かし、「仕事って、本当は楽しい。人って、いくつになっても成長できる。人生っておもしろい!」と実感を得られる人を増やし、個々の能力が掛け算になるような強い組織作りに寄与する事をミッションとしている。

■認定資格
 ・共創コーチ®/共創コーチング
 ・心の利き手セッションBasic/Officeファーマシストキャリア
 ・PRプロデューサー/PRプロフェッショナル協会

はじめに、現在のお仕事を教えてください。

 現在は、ビジネスコーチ、そしてOJT式コンサルタントの2つを柱に仕事をしています。ウエイト的には、ビジネスコーチが3割、OJT式コンサルタントが7割というところです。今後は、これを5:5になるように目指していきます。

OJT式コンサルタントとは、どういったものでしょうか?

 OJT式コンサルタントとは、「On-the-Job Training」の略を用い、現場に入り込み、クライアント先のスタッフ達と接点を持ちながらコンサルタントとして課題解決や教育をしていくスタイルの事で、過去に通っていたオンライン塾からヒントを得ました。

 ちなみに、契約先の一つとなる、息子が経営する会社では、ビジネスコーチとOJT式コンサルタント、それぞれの契約をもらっています。コーチングセッションは、社長である息子と幹部スタッフで毎月2回ずつ。OJT式コンサルタントとしては、経営企画というポジションで様々な課題に対応しており、事業計画や人事評価制度の策定から、就業規則や労働条件通知書作成、各種会議のファシリテーターなどの実務まで多岐に渡って、会社の中に入り込んで進めています。経営と現場の二つの側面をサポートすることで、社長が感じる経営課題と、現場で起こっている問題のすり合わせがしやすい利点があります。問題は現場で起こっている事が多く、社長と二人だけで話をしていては真因が分からず、対策を間違えたり、後手に回る可能性があると実感しています。

一般的なコンサルタントとカタチが違うようですが、それはどういったことから生まれたのでしょうか?

 私は以前、兄が経営する会社(ホテル、飲食店経営)で専務取締役に就いていました。自分自身の成長と会社のために、様々な分野のコンサルタントに頼っていましたが、指導の内容は正しいと思うけれど、私が求める結果になかなか結び付かない。時には、「今度はどんな事を始めるんだろう?」とスタッフがネガティブに捉える事もありました。

 今思えば、現象だけを捉えて改善しようとしていたのかもしれません。本気で変えたいならば、まずはトップの意識改革が必要で、問題の根幹を正面から真摯に受け止め、社員一丸となって取り組む必要があります。そう言った事に気づいてもらう為にも、経営者のみならず現場のスタッフたちと接点を持ち、同じものを見て、同じ課題を感じ、解決していくというスタンスが大事だと思うようになりました。経営者の話だけを聞いて、理論だけを伝えるコンサルタントではなく、共に成果を創出できるコンサルタントになりたいと思っています。

 その「OJT式」というやり方に気が付いたのは、ホテルを辞めた後、私を必要としてくれて、働かせていただいた福岡の会社での経験が大きいです。その会社は4つの部門があり、私は広報やブランディング、人事、管理部門、雑貨店のマネージャー的な業務など、幅広く会社全体の業務に関わっていました。

 50歳を超えていても中途の新米です。まずはみなさんに仕事を教えてもらおう、みなさんと一緒にやって行こうというスタンスでいても、社長直々にミッションを与えられていた事もあり、「ここは、こうしたほうがいいんじゃないかな…」などと、色々な気づきが出てきます。役職も頂いていたので、これまでのやり方を尊重しながら、教育も兼ねて、仕事の仕方や判断基準などを伝えていきました。

 その会社では19か月お世話になり職を離れたのですが、その際、「黒田さんが来て、新しい風が吹き、本当に会社が変わった。」「黒田さんと仕事ができて、仕事をするという意味が分かった。」と言ってもらえました。とても嬉しかったです。その時、「ああ、そっかぁ、やっぱり社長の相談役だけでは片面しか見えないし、全体が分からないなぁ。」と気付かされました。

 社長の中には、コンサルタントに対し、自分の代弁者となって、まずは自分の言いたい事を伝えて欲しい。と思われる方がいらっしゃいます。そのような気持ちになるのも理解できますが、それだけでは会社は変わりません。なぜなら、会社は経営者とスタッフの両輪で成り立っているからです。

 ホテル時代は、専務取締役支配人として、「人間尊重型経営」をベースに取り組んでいました。「ヒト、モノ、カネ」の3つの経営資源の中で、私は、「ヒト」こそが最重要だと思っています。スタッフあっての企業であり、企業は自己成長の為のフィールド。故に、上司部下という上下の関係ではなく、みんな対等。それぞれの「役割」に応じて、「責任と権限」が与えられ、それらの重さと貢献が報酬に比例する。そのような考え方もスタッフに伝えて、仕組みづくりに尽力していました。

 その為には、スタッフの潜在的能力も発揮できるように心理的安全性が担保された組織を作る必要があります。一人ひとりが輝き、強みを発揮して、みんなの力が掛け算になって強い組織になっていく。それこそが私の経営思想です。そして、このような思想を顕在化させ、仕事の仕方と判断基準を徹底して指導してくれた師匠の存在に、心から感謝しています。

そのスタンスは、コーチングにも通じるものがあるように聴こえますが、コーチングの面白さはどんな事でしょうか?

 コーチングと出会った時に、「相手を尊重する」「対等である」「傾聴」や「支援する」という部分が、人間尊重型経営という考え方にシンクロすると思いました。それもあり、コーチングは、やっていて楽しいですね。

 コーチングセッションでの具体的な面白さは、クライアントの「ハッと気づいた瞬間」の表情が見られる事です。セッション中にその方の表情がパッと変わり、「ああ、そうか!」とご自身でも知り得なかったものが降りて来て、そこから一気にギアが入っていく、あの瞬間がたまりません。

 先日も、「誰にも言ったことがないような事を、初めて口にしました。でも、その瞬間から、自分の頭の中が整理され、気持ちが楽になって、色々な事が考えられ行動できるようになりました。」というようなフィードバックを頂き、思わずガッツポーズ(笑)。「あぁ良かった〜、この方は、これで前に進む事が出来る。」と嬉しく思い、貢献できた実感が得られました。

 私は、前に出たがりだと見られがちなのですが、実はそうではなく、「スポットライトを浴びて、笑顔になっている人を見る」のが好きなんです。成功している人の裏にいる人。この成功者を支えた支援者というポジションが好き。私が目指すのは、「黒田美和との出会いが、成功の一因である」と言う人を、たくさん輩出すること。その方の価値観や大切にしているもの、ご自身の力に気づき、信じ、成功体験を次々に生み出していけるように、「コーチング」「OJT式コンサルタント」の両方を使って支援すること。これをやろうとしています。

 その為、コーチとしての課題というものもあります。クライアントによっては、コーチングセッション中にコンサルティングの視点が私に強く出てきて、意識がそちらに引っ張られる事があり、そういう時ほど良いセッションが出来ないんです。なので、セッションの前には、必ずと言っていいほど、国際コーチング連盟のコア・コンピテンシーを読み返しています。また、クライアントには、コーチングとコンサルティングの違いを説明し、必要に応じて別々の契約をしてもらうようにしています。

 もう一つセッション中の課題として、「いいね」を言い過ぎない事。コーチが「いいね」を言い過ぎると、クライアントはコーチからの「いいね」が欲しくて、言葉を選択したり行動してしまう事があると学びました。私もつい「いいね」を言ってしまうので、何がいいのかを、自分の頭の中で変換して、言語化するように心掛けています。

共創コーチングとの出会いやエピソードなどを聴かせてください。

 「コーチング」という言葉を聞いたのは、今から78年前なんです。なんとなく分かるんですが、その当時はあまりピンと来なくて、探究心もありませんでした。

 そのうち、素晴らしいなと思うリーダーの方に会う度、「何を学んでいらっしゃいますか?」と聴くと、共通して出てくるのが「コーチング」や「心理学」だったんですね。「この人もコーチングを学んだのか、この人もか…」と。ある方に、「コーチングに興味があるんですが」と話すと、「いい人を知っていますよ。」ということで、YOKOさんをご紹介いただきました。

 YOKOさんと初めてお会いした時に、今でも忘れられない事があります。それは、「美和さんが社長になったらいいんじゃない?」とパンっと言われた事です。そんな事考えもしなかったし、初めて言われて、「あ、なんか面白いことを言う方だなぁ。」と印象深く、またYOKOさんの話される内容やお人柄、スクールのHPなどを見て、更に心惹かれていきました。なので、出会って間を置くことなく、「ぜひ、コーチングを習いたいです!」と言って、共創コーチングに通うことになりました。それが2018年です。

 人間力やリーダーシップとしてのスキルを磨きたい、また社員教育にも活用したいという目的で習い始めたコーチングですが、私自身の自己基盤や悩みの原因までもが分かっていきました。その深い学びは、コミュニケーションの「タイプ」や「シーソーの法則」「エネルギー漏れ」「相互作用が働く」「相手に近寄ることが大事」などなど…。コーチングを学び始めた事で、私が引っかかっていたモノが何だったのか、何に悩んでいたのか、何が原因でうまくいかないのかが明確になり、ではどうしたら良いのかを知る事が出来ました。

 当時の私を振り返れば、エネルギー漏れがひどいから、上手くいかないし、面白くないし、そりゃあ、つまんないなあ…って思うはずですよ。共創コーチングは、私にとって「救い」と言っても過言ではなく、「人生のターニングポイント」でもあります。事実、私の人生は、大きく変わっていきましたしね。

 それから、YOKOさんとジョニーさんは、私が足元にも及ばないほど経験豊富で実力があるのに、それを感じさせない謙虚さと真摯さがあり、また常に何かをスクール生からも学ぼうとされる姿勢は、本当に心から尊敬できます。そんな「人」としても尊敬できるお二人が創り上げた、この共創コーチングで学べたことが誇りです。コーチングを学びたいという方には、「いいところがあるよ!」って紹介しています。

コーチングを学んでいなかったら、どうなっていたと思いますか?

 そうですね。私はコントローラータイプだったので、ピリピリしたキツいリーダーになっていた可能性が高いです。頭では人間力を磨く大切さは分かっていたけど、相手を尊重する、傾聴するというスキルが低く、私の価値観を押し付けるようなリーダーになっていたかも・・・。今振り返って自分に言葉を送る事ができるなら、こう伝えたいです。「人はみな、その人なりに一生懸命、正直に生きている。表現が違ったりする事があるだろうけれど、その人にとって、それは真実なんだ。その人を大切にすることが、私自身も大切にする事だし、逆もしかりなんだよ」と。

これから、どんなふうになっていきたいですか?

 色々私なりに経験してきましたが、一番心地よく、精神状態も穏やかで満たされているのが、今なんです。この状態を維持しつつ、色々な事にチャレンジしていきたいと思っています。そのためには、心と時間にゆとりを持つ事。

 20228月末に福岡の会社の仕事を辞めて、やっと自分と向き合う時間、大切にする時間が出来ました。今この瞬間に私が欲している事は何か、自分の気持ちを解放し、自分の価値観に重きを置いてやりたい事をする。それを、「自分の魂を喜ばせる事」と言っています。また、無意識に行っていた、人と比較する事をやめる。今までは、人にどう見られているか?どう映るか?が気になっていましたが、これからは、自分軸を大切にして、背伸びせず、縮こまらず、等身大の「黒田美和」を出していきたいです。冷めた部分や熱い部分。涙もろかったり、あっさりしていたり。どんな自分もさらけ出す事ができるのが、私の憧れの「黒田美和」なんです。今の私から見たら、昔の私は何だか力んでいて息苦しそうだなぁ(笑)。

 元気なうちは、生涯仕事はしたいし、世界中旅行したい。70歳を過ぎてもハツラツとして、まだまだ「次にこんな事がしたいんですよ!」って言っていたいです。

 実は今年中に叶えたい事があり、主人を口説いているのが、トルコのカッパドキアに行く事。洞窟ホテルに泊まって、広大な空に浮かぶ色とりどりの気球を眺めながら、トルコ料理を食べる!これが、目下の夢です。でも、私より先に、主人には行きたい所があると聞いていたので、先にそれを実現する事になるのかなぁ。