• 受講生インタビュー

コーチング無くして成長なし。

PROFILE
共創コーチ®︎ クロスボーダーコーチ GCDFキャリアカウンセラー
北村 大輔(きたむら だいすけ)

東京生まれ石川育ち。海外からの留学生を受け入れるホストファミリーをしていた影響か世界中の多様な人と関わり刺激を受けながら生きていきたいと思うようになる。
仕事は企業のグローバル人材育成を支援するコンサルティングセールスを約20年担当し、現在は大手メディア企業で教育領域の新規事業に携わる。
キャリアにおいて海外駐在や外国人を含め最大80名のマネジメント、M&A後の組織統合の責任者など難易度の高い仕事を経験し、うまくいかない時期に人に支えられ乗り越えてきた経験から、人の成長に強い関心を持つようになりコーチングと出会う。
変化が激しい社会環境下で人が困難を乗り越え自分らしく活躍できる世界を創るためにコーチングを提供中。クロスボーダーに活躍したい人や海外駐在員、グローバル組織のマネジメントを行う方などを幅広くコーチとして支援している。

普段はどのようなお仕事をされているのか、教えて頂けますか?

 企業のグローバル人財育成を支援する事業に携わっています。

具体的には、ヨーロッパやアジアに点在しているバーチャル組織のメンバーと、日々コミュニケーションを取りながら、ビジネススキルを学ぶアプリのコンテンツ開発のプロジェクトや、それを日本の企業に導入していただくための営業戦略・マーケティング戦略の立案と実行、事業管理、チームマネジメントを担当しています。

例えばお仕事の難しさは、どんなところにありますか?

 主に2つの点で、難しさがあります。

 ひとつは、企業のグローバル人財育成担当者や事業部門の管理職の方が主なお客様になるのですが、実はご本人が海外経験や人財育成の経験があまりないというケースが珍しくありません。そうなると、課題設定が本質的ではなかったり、期待する効果が曖昧に語られるなど、深いディスカッションまでいかないこともあり、そういう時に難しさを感じる事があります。

 二つ目は、社内的な面です。プロダクトをつくっているのは、多種多様なワーキングスタイルを持つ外国人です。日本の市場をよくわかっていない事もあり、日本側のリクエストがすんなりとは伝わらず「なぜそれがいるのか?」など、理解を促すための説得や交渉が必要となる事もしばしばあります。

難しそうですね。具体的には、どんなふうにコーチングを活かしていますか?

 ビジネスも、プライベートも、どちらにも活かしています。 

仕事で法人営業をしていて、営業スキルとコーチングスキルは重なる部分が多いと感じます。私たちが提供しているのは、人財育成の領域ですので、何かを売るというより「人を育てるサービス」をお客様と一緒につくる、まさに共創するパートナーとして接しています。そこは、コーチと近いイメージがあります。

 例えば、新しいお客様にお会いする時は、事前に情報を集めますが、コーチングを学ぶ前は、集めた情報から想像して、「きっとこんなタイプの人だろう」とアンコンシャス・バイアスがかかった状態でお話していたように思います。コーチングを学んでからは、一歩引いて「どういう方なんだろう?」と、お話や質問をしながら見極めようと今まで以上に意識しています。法人営業ではよくあるのですが、目の前の方の言葉が、必ずしもご自身の言葉ではないと感じる時があります。会社を代表して私と会っていますから当然なのかもしれません。そんな時は、4つの質問で色々聴くようにしています。例えば「もし期間や予算に制約がなかったら、本当はどうしたいですか?」「当初大切にしておられたことが変わったのですね。なぜ、検討の方向が変わったのですか?」など。すると担当の方もハッとすることがあり、お互いの関係性も深まっていきます。

 契約後もとても重要です。担当者の先には、学習する社員の方々がいます。その方々が学習した後、どのような行動変容が起きたのか、実際業務にどんなインパクトがあったのか、そこを一番フォーカスしている点もコーチングと共通していますね。

 また、私は一緒にお仕事をさせていただく担当の方々との関係を大切にしたいと思っています。百戦錬磨の経験豊かなお客様からは真摯に学びたいと思いますし、若手で経験が少ない方は「育てる」というとおこがましいかもしれませんが、グローバル人財育成のプロフェッショナルとして、今後ご活躍いただけるように参考になる情報提供をしたり、目標を達成できるように支援するという事も仕事の一環だと思っています。今後、もっとそういう目的での企画も出来たらいいなと思いますね。コーチングスキルは、商談の場や関係構築にとても役立っています。

 プライベートでは、子どもとの会話にも活きています。小学1年生の息子がいるのですが、毎週サッカー教室に通っています。送りの車の中で「今日は、これを意識してやろうね。」と大体ひとつ、息子に言っているのですが、できない事の方が多く、コーチングを学ぶ前は帰りの車の中で「行く時にお話してた事だけど、どうしてトライしなかったの?」って、聴いてたんです。息子は、いつもそう聴かれるのが嫌だったようで、「サッカーやだ!もうやめたい!」と言うようになってしまいました。

 コーチングを学んでとても反省しました。相手(息子)にフォーカスしていなかったな、と。それからは「今日どうだった?」と、息子にまず感想を聴く、自分で振り返ってもらうように意識しています。「そうか、じゃあ次どうやったらできるかな?」そういう聴き方に変えていくと、不思議なもので、息子は自分で言ったことをトライするようになり、行動が変わっていきました。「コーチングそのものにパワーがある」とクラスの中で聞いた言葉が今も頭に残っていて、本当に人の行動は変わるんだなと実感しました。

日本と海外の間に立ち、これからどのような事をしていきたいのでしょうか?

 私のキャリアの軸は、「人や企業がクロスボーダーに活躍する、それを支援する」事だと考えています。

 幼いころから、生活の中に「海外」との接点がありました。海外留学生のホストファミリーだったので、海外からきたお兄さんお姉さんとのコミュニケーションは、幼いながらに刺激的でした。その原体験が日本の外の国や言葉に興味を持つきっかけとなり、大学は国際関係を学ぶ学部を選びました。就職は新卒で商社の営業職、その後転職し人と企業のグローバル化を支援する米国の教育会社、その後HRテック企業で登録者の海外就職を支援するなど、日本と海外をつなぐ仕事を中心に従事してきました。

 私は日本人だし、日本が好きです。日本には素晴らしい文化や技術がある。なにより本当に素晴らしい人がたくさんいる、そういう良い部分をもっと世界に知って欲しいと思っています。最近「Made in Japan」ではなく「Made with Japan」という言葉も出てきていますね。今以上に日本が世界とコラボレーションできれば、もっと世界はよくなる。そういう意味で、海外と関わるビジネスパーソン、ビジネスリーダー、あるいは日本に来てくれた外国人の方々が、ちゃんと日本にオンボードできるように、など、コーチとしてそういう方々のご支援をしてきたいなと考えています。

 周知のとおり、ここ30年ぐらいで日本企業の競争力は落ちました。30年前の企業の時価総額ランキングを見ると、上位20社の7割が日本企業でしたが、今年のランキングでは、トップ20位に日本企業は1社もありません。スイスのIMDが毎年発表している国際競争力レポートの中に「ワールドタレントランキング」というものがあります。ここでは、主要国64カ国中39位です。阻害要因は何だろうと細かく評価項目を見ていくと例えば「管理職の国際経験」が64カ国中64位と最下位でした。(ここ数年ずっと

 今、日本は人口が減り続けています。日本が成長していくには、海外からの優秀な人材をリソースとして活用していくという道筋を、無視できない状況だと思っています。ところが、日本(日本の企業)は仕事先としては人気が無いです。日本の会社に就職しても、すぐに辞めてしまう。その原因のひとつには、先ほど申し上げたような、海外経験がない上司や人間関係を作りにくい組織環境があるのではないかと考えています。

 コーチとして対象としたいクライアントのひとつの具体的な例が海外赴任者です。実態を聴くと、日本ではエース級の人財が海外ではあまり活躍できていないケースが多いと伺います。管理職として赴任しても、3年とか短期間で次の新しい日本人がやって来るというサイクルが一般的で、現地スタッフとの関係性はなかなか築けない事情もあるようです。現地スタッフから認められず評価を得られないために、メンタルを病んでしまう方もおられます。そんな時、駐在員の方々に、何がうまくいかないのか整理をしたり、寄り添うことで行動を変えられたら逆境を乗り越えられるケースもあるのではないかと考えています。また日本にいながらオンラインで海外とコミュニケーションをとり、海外チームやプロジェクトに参画する方々にも、様々な困りごとがあると思います。その他、海外で活躍したいスポーツ選手とか、産学官の連携など業界が異なる複数の団体がクロスして何かやろうと試行錯誤している方々など支援していく「クロスボーダーコーチ」として活動していきたいと思っています。

「クロスボーダー」とは?それは、どういった意味に捉えているのでしょうか?

 「ボーダー」とは、日本と海外という国境だけではなく、ジェンダー、ジェネレーション、業界、企業、チームなど、色々なところにボーダーはあると思っています。「ボーダレスな時代」などとよく耳にしますが、私は、今世界は「ボーダーフルな社会」だと思っています。ニュースを見れば、ウクライナ危機、米中対立、竹島問題、経済協定、EU脱退・加盟などなど、ボーダーの話で溢れています。

 これからは、そういったボーダーを乗り越えて、新しい価値を創っていくというマインドが重要だと思います。前例踏襲で、粛々と仕事をするのではなく、現状を否定してでも新しい価値を創っていくとなると、自分と違う考え方の人と一緒に仕事していく事も必要となってくるはずです。そんな時、考え方が合わない、ストレスを感じるなど、様々な難しい状況と対峙する。様々なボーダーを乗り越えて頑張ろうとしている人達を応援したい。「クロスボーダー」を軸に、それを使命としてコーチをやっていきたいと、僭越ながらそう思っています。

コーチになろうと意識し始めるきっかけは、何でしたか?

 2015年頃、会社の推奨で、人財育成の一環として部内のマネジメントチームでコーチングを体験しました。この時に初めてコーチングを知ったのですが、素晴らしいコーチとの出会いがあり、コミュニケーションに大事なスキルが身につくのだとわかりました。

 そこから月日は経ち、2020年のコロナ禍です。「これはすごい事になるな。」と思いました。働き方も変わり、社会環境や常識がガラッと変わっていくのを目の当たりにして、個人の価値観や生き方を見つめ直す人、自分自身に問う人がたくさん増えるのではないかと感じました。変化が激しく、環境が変わるとなると、きっと迷う人が出るだろう。そういう時代を見据えて自分の将来を照らし合わせた時「コーチ」として支援するという事に、心が動きました。同年5月、コーチングスクールを探して、何校か体験セッションを受け、稲垣夫婦が楽しかったので(笑)、学び続けられそうだと思い、7月から共創コーチングでの受講を決めました。

共創コーチングは、どんな場でしたか?

スクールスクールしていない、すごく自然体で、インタラクティブなスタイルというのが、とても良かったです。もともと、グループで学ぶという事が大好きです。自己投資して何かを学んでいる人には、本当に素晴らしい方が多くて、そこでネットワーク、つながりが出来る事は、非常に貴重だと思っています。

実際クラスは教える側も学ぶ側も一方方向な感じではなく、皆で前向きに学び合う感じがあり、そのスタイルが非常に良かったですね。

例えば、全員の前で話をして、フィードバックを受けるという事に、はじめすごく緊張するなと構えていました。ところが、フィードバックは、大概自分には無い視点で戻って来て、良かった点、改善点等を両方もらう事が出来たのが良いですね。だから、私自身もフィードバックする時は、率直に返すよう心掛けていました。

「グループダイナミクス」がうまく活用された学びの場だと思います。こういった学習経験をしたおかげで、「うまくいかないな」と思った時も、「全部だめだという事はない」と思えるようになりました。その「うまくいかない」という状況や感情を含めて自分自身を受け止められるようになったというか。今までは、うまくいかない事にフォーカスしがちでしたが、そんな中でもいい面もあるという事を、何度も何度も体感したので、自然と自分を受け入れられるようになった気がします。

 具体的なテーマの中では、「パーソナルベース」は面白かったです。タイヤの形に例えていましたが、自己基盤がしっかりしていないと前に進まないという話は、本当にその通りだと腹落ちしました。未完了で気になっていることや、自分自身の気持ちのコントロールなど、以前よりも意識して自分に向き合う時間を持つようになりました。

コーチングとは、北村さんにとってどういうものですか?

 コーチングの学びは、私にとって大きな出来事で、コーチングが広がれば世の中もっとよくなるなと本気で思っています。例えば、企業のマネージャー。マネージだから、管理をする事だと思っている人は、まだまだ多いんじゃないかなと思います。管理する事ではなく、メンバーがパフォーマンスを最大限発揮できるように支援するっていう事がマネージャーの役割だと思います。そういう意味では、それこそマネージャーにとってコーチングは必須スキルでしょうね。

 そして、ICFのコアコンピテンシーにもありますが、コーチである以上、学びを止められないと思っています。学び続けるっていう事が大事だと思います。そういう意味で、自分を成長させてくれるものですね。コーチングは「僕の成長エンジン」。

 基礎・養成のテキストを読み返すだけでも、「あ、これ忘れてる!最近、全然意識してなかった!」って気づいたりします。そうやってまたそれを使う。小さな話ですけど、それも成長だと思っています。忘れて、活かせてなかった昨日の自分よりは、1歩成長している。その積み重ねでしかないです。

 これからもコーチングとともに学び、進化していきたいと思います。