• 受講生インタビュー

共創関係を育み、チームプロジェクトを成功させる

PROFILE
吉田 茂樹(よしだ しげき)

某大手電機メーカーで新規事業テーマのプロジェクトリーダーを担当。以前より効果を認識していたコーチングに関して、スキルを習得してビジネスに活かしたいと思い、稲垣夫妻との出会いをきっかけに養成スクールに通い始める。2018年2月、共創コーチ®の資格を取得。 習得した共創スキルをフルに活用し、多くの仲間を巻き込みながら新規事業創出の実現に向けて邁進中。

コーチングとは、どのように出会いましたか?

ジョニーさん陽子さんのメンターである本田健さんの本をよく読んでいて、人間関係の力学やコーチングに興味をもっていました。自分で自分の目標を立てるのは、やればできると思っていたのですが、人に対して、目標を立てさせてそれに向かわせるというのは簡単じゃないなと感じていました。仕事で人を巻き込んでいきたいと思っていたこともあり、それなりのスキルを学ばないといけないと思っていました。その頃に、たまたま金山であったセミナーでジョニーさんと出会いました。

家から近かったこともあって、まずは共創コーチ®養成スクールの体験プログラムを受けました。そこで、陽子さんのコーチングを5分受けて、「あっ、これはすごいな」と思いました。それで、4年ほど前に共創コーチ®養成スクールを受講し始めました。

共創コーチ®養成スクールを受講してどうでしたか?

基礎コースに通っている頃は、相手の問題をこちらが解決しようとしていました。それが、ワークを繰り返すことで「その人の問題はその人が解決すればいいんだ!」と思えるようになりました。そのことで、気持ち的に人との関わりが楽になりました。スクールではたくさんワークがあって、理論の学習だけでなく実際に体感することができました。コーチがクライアントの背中を押しながら歩くワークでは、クライアントに寄り添うということを体感しました。また、音楽が鳴っていて、最初はバラバラの動きをしているですが、だんだん全員の動きが一致していくワークでは、チームワークとは何なのかを体感しました。理論を学ぶだけでも体感として学ぶだけでもだめだと私は思っていて、スクールではその両方の学びを得られたのが良かったです。

コーチングは目標達成にどのように役立つと思いますか?

私はスクールとは別に陽子さんのコーチングも受けていたのですが、実はその頃話していたことは、今ほぼすべて実現しています。そのことで、“描いた未来が来る”と思えるようになりました。“大人数のプロジェクトメンバーが集まっている“という未来を思い描いていた私に、陽子さんはその未来を広げる質問をたくさんしてくれました。例えば、「キーマンは誰だと思いますか?」、「誰に声をかけますか?」という質問があって、そのときに答えた相手と今、実際に仕事ができています。未来は描いたら意外とその通りになるので、未来を描けるかどうかが大事だと思います。新入社員には、やりたいことがないという人もいるのですが、そういう人もこちらから問いかけているうちに未来が描けるようになることがあります。多くの人は自発的に未来のゴールが描けるわけではないので、問いかけの場としてコーチングがあるかどうかはとても重要だと思います。

共創コーチングを習得したことで、チーム作りはどう変化しましたか?

働き始めて10年間は、上手くいっていないことばかりでした。若いときからリーダーをやらせてもらっていましたが、年上の人たちに指示しなければならないことが多くて苦労していました。「なぜ、この人はうんと言わないんだ」、「なぜ、従ってくれないんだ」と思っていて、人を動かす難しさを感じていました。当時は、研究者、リサーチャーというタイプの人が多く、自分の意思を大事に仕事を進めていく人が多かったように思います。今は、自分が変わったからか、サポートし合うチームが作れています。チームメンバーは、ピラミッドというよりはフラットな関係で強みを活かし合っていて、まさに共創コーチングで学んだ「共創」の考えが活きていると思います。

よりよいチーム作りのために、朝会や昼会を10人前後で実際に集まって行っています。それは、「この人苦労してるな」とか「元気ないな」など、みんなを知る場になっていて、チームメンバーとは物理的にも心理的にも距離が近い感じがしています。オンラインでも参加できるのですが、困っている人ほどオンラインで入ろうとします。同じビルにいる場合もあるので、来れるのであれば来るように声をかけるようにしています。コーチングを習って、聞くことの重要性が腑に落ちたからこそ、普段の仕事でも“聞く”ということを意図的にできるようになりました。仕事の中で日常的に聞くスキルを使うことで、みんなの納得感が得られ、プロジェクトが良い方向に回るようになってきたのだと思います。

社外の人との関わりでコーチングはどう役立っていますか?

私の仕事では、まずお客さんの所に行きます。そして困っていることを見つけて、「我々が解決してみます」ということで解決策を考えます。そして、試作品を持って「これだとどうですか?」と聞きます。大きすぎ、小さすぎなど意見を聞いて改良します。それを繰り返して商品が完成すると、売り込みもします。普通は、売るのは営業、解決策を提案するのは企画、ものを作るのは開発など分かれていますが、そうすると、時間もかかるし、ニュアンスもずれてしまいます。ところが、ものを作る人が実際に聞きに行くと本当の困り事が分かり、解決策がすぐに提案できます。私の会社では、開発者が聞き取りから売りこみまで全部やっています。だから、聞く、質問するのコーチングスキルは本当に役立っています。

社外の人たちと話すときのスタンスも「一緒に良いものを作っていきましょう」という姿勢に変わりました。以前は、物を売る立場と買う立場の一方向の矢印だった気がしますが、今は両方向の矢印で、お客さんは“一緒に作る人”であり、チームのメンバーだと思っています。それは、自分がお客さんに頼れるようになったことが大きいと思います。共創コーチングでシーソーの法則や対等性の重要性を学び、フラットな関係が築けるようになったからだと思います。結果的に多くの人を巻き込めるようになり、新規プロジェクトが上手くいくことが増えました。

会社で行っている1on1(上司と部下で行うコーチング)の効果についてどう思いますか?

私の働く会社では、社長が役員と、役員は部長と、という感じで末端社員まで全員が1on1をやっています。少し上のストレッチした目標設定をさせて、経験学習から学ばせようという意図で1on1が行われています。私自身も部下として1on1を受けていて、若手に対して1on1をやってもいます。

1on1の時間を上手く活かすには、まずはその場が安全で相談できる場であることが大切だと思います。一方で、ただの進捗確認の場になってしまうことも多いので、自分がするときにはストレッチした目標設定をさせることを特に意識しています。1on1は、部下だけでなく上司側にもすごい気づきが生まれるのが特長だと思います。私も若手と1on1をしているときに、アイデアがポンと出てくることがあります。1on1をしている若手は活き活きと働いていて、こちらが思う以上の成果を出してきます。自分の心の中に想いがあっても外に出せない人が多いので、1on1をすることで、内に秘めているものを外に出させてあげて、一歩踏み出させてあげることができると思います。また、どこを目指したいのかも明確にできると思います。

今後、やっていきたいことは何ですか?

私が今やっているプロジェクトリーダーができる人を増やしていきたいと思っています。自分の意志でプロジェクトを進め、人をまとめることができる人、目標があって目指すべき場所を持っている人が必要だと思っています。多くの人の強みを引き出し、共創関係を作っていける人を育てていきたいです。自分自身は、今後海外の人も巻き込んで、世界中を巻き込むプロジェクトをやりたいと思っています。